今日は中嶋さんの誕生日。
それなのに。
しかもせっかくの日曜日だったのに。
今日は一日、学生会の仕事で潰れそう。
その原因の王様はのんきに
「夕飯は寿司行こうぜ」
なんて言っちゃって!
王様のバカ!

ふてくされて資料室の書類を漁っていた俺に
「誕生日なのは俺だろう? どうしておまえがふてくされるんだ」
同じく資料室にいた中嶋さんが言う。
どうしてって……
せっかくの誕生日で……日曜日で……
何か特別な事をしてお祝いしたかったし……
ごにょごにょと要領をえない俺に中嶋さんは。

「じゃあ、特別な事をして祝ってくれ」

いきなりそんな事を言い放った。

「へ!?」

とたんにパニックに陥った俺を鼻先で笑った中嶋さんに
今度はカチンと来て、それで俺は腹をくくった。
ちょっとやけくそだったかも。

余裕の笑みで俺の前に立つ大好きな貴方に。
特別の、恋人としてのお祝いを。

「お……おたんじょうび、おめでとうございますっ!」

(2006/11/19)